春日部市の充実人生支援拠点
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※完全予約制です
休診日: 日曜日・祝日・祝日の無い週の木曜日
金曜日はミーティングの為 時間変更有
歯周病は治ると信じましょう。
歯周病は、治療すれば治ります。
歯周病は不治の病でも老化現象でもありません。
諦めずに治療を受ければ比較的簡単に、確実に治る疾患ですからどうぞ安心してください。
歯周病の治療は歯を支えている骨を治療することです。
歯を支えているのは歯肉だと思っていませんか。歯肉は実は単なる薄い皮でしかありません。そのすぐ下に硬い顎の骨があり、歯は歯肉を貫通し、この硬い骨に植わっています。
骨が支えているからびくともしないのです。骨の支えがなくなってしまえば、どんなに歯肉があっても、もうその歯は機能しなくなってしまいます。
歯と歯茎の境目
歯を支えているように見える歯肉と歯の境目には歯肉溝と呼ばれる溝があります。(指先と爪の間を連想してください)
歯肉溝の底では歯と歯肉が弱い力で接着してるだけです。お口の中の細菌は歯と歯の間や、歯肉溝に住み着きます。
歯肉溝で細菌が増え過ぎると、その一部は歯と歯肉の隙間の底にある歯と歯肉との接着部分を通過すると感染力を持ち始めます。
歯肉溝底部の接着は非常に弱く、細菌の種類によっては簡単にここを剥がし、歯肉の中に侵入し感染をはじめてしまいます。その弱い接着を補うのがこの隙間の大切な役割なのです。
この隙間には、歯肉の血管から白血球という成分がどんどん滲みでてきています。(眼球が涙によって守られているのを想像してください)
白血球とは、細菌を見つけるとそこに集まってきて殺菌する細胞です。つまり、歯と歯肉の問の溝は白血球で満たされた強力な消毒槽なのです。
炎症の徴候、メカニズム、意義をご存知ですか。
歯と歯肉の隙問に潜む白血球は細菌の数に比べるとごくわずかです。
ですから歯の根元に細菌が増え続けると、いずれは白血球が足りなくなります。すると、細菌の量に応じ下白血球が歯肉の血管から送られてくるのです。
送られてきた白血球を迎え入れるために、歯肉の中の毛細血管は膨らみ、白血球が滲み出易いよう緩くなります。
そのため、外見からは歯肉が膨らみ、中の血が透けて赤っぽく見え、不用意に触れると毛細血管が破れて出血しやすくなります。
このように、細菌と戦うために血が集まり体を守る現象が“炎症”です。
炎症そのものは体を守る大事な働きなのですが、細菌を攻撃する力は温度が高い方が有利なので発熱し腫れるために痛みを感じます。
歯肉溝に細菌が住みつき歯肉溝の底の接着が壊され深くなることを歯周ポケットが形成されるといいます。歯周ポケットが出来てしまった歯周炎は治療しなければ確実に進行します。
消毒槽である歯肉溝に滲み出る白血球には限界があります。限界より多くの細菌が集まると、細菌は消毒槽だった隙間を乗っ取りますます増加します。
一部の細菌は、歯と歯肉との接着をその毒素で剥がすため隙間はますます深くなります。そして、さらに大量の細菌が住みつきます。
中に入った細菌は、休むことなく歯と歯肉の接着を剥がしてさらに深く侵入します。そして歯周ポケットが深くなるにつれて歯周炎が進行していきますが、これには3つの理由があります。
1つ目は、細菌の増殖の問題です。細菌は環境にもよりますが数時間で倍になりますのであっという間に何倍もの細菌数になります。
2つ目は、細菌の性質の問題です。歯周病菌は酸素を極端に嫌うので、酸素の少ない歯周ポケット深部は細菌にとって絶好の繁殖場所となります。
3つ目は、天敵の問題です。細菌の天敵は歯ブラシです。歯周ポケットの深部には歯ブラシが届きません。
歯周病の治療は、細菌が住み着く歯周ポケットを浅くし、歯ブラシの影響を受ける深さに保つ事とも言えます。
歯垢は口の中の細菌が集合しねばねばした物質を分泌して塊になったものです。歯垢のことを専門的にはプラークと呼びます。
歯垢は細菌の塊ですのでほっておくと歯や歯ぐきを蝕んでいきます。歯周病は細菌による感染症でもありますから歯垢と密接な関係があります。
歯垢は奥歯のまわりや歯と歯のすきま、歯と歯ぐきの間など歯ブラシが届きにくいところにたまりやすいです。
歯垢は歯ブラシでこすることによって自分である程度は取ることができます。毎日の歯みがきを習慣にして歯垢を自分で取り去りましょう。
ブラッシングとは歯磨きでしょう?
みなさん子供のころから『歯磨き』という言葉に慣れ親しんでいますね。ですからブラッシングとは歯をゴシゴシ磨くことと思っていませんか。
実はブラッシングは歯ブラシの毛先を届かせる事です。
虫歯予防をしたいのなら虫歯菌が溜まりたすい歯と歯の間に歯周病を予防したいのなら歯周病菌が増えやすい歯周ポケットの中に届かせることです。
歯石そのものはそれほど悪くないのです。
歯石は口の中の細菌の死骸に唾液や血液中のカルシウムの塊がこびりついたものです。歯石は歯と歯ぐきの間にできやすいです。歯石が歯と歯ぐきの間にできますと隙間ができて、そこに歯垢がたまりやすくなります。
寿命を迎え死んだばい菌が、歯の表面で固まったものが歯石です。死んだばい菌からは毒も出ないので、歯石自体は無害です。
しかし歯石の表面は凹凸が激しく、そこに入り込んだばい菌は除去できません。そこで、ばい菌を除去するためにやむを得ず歯石ごと除去するのです。
ばい菌が、歯と歯肉の接着を剥がした後にも、本来は歯と骨の強固な接着が存在します。しかしながらばい菌はその毒素で歯を支えていた骨を溶かしていきます。その後、歯と歯肉との弱い接着を簡単に剥がし、さらに深く侵入します。これを繰り返し、最終的には歯の周りに骨がなくなる所まで進むのです。
体にとっても硬い骨があると白血球を移送しにくいので骨を溶かして毛細血管を増やしやすくしているのかもしれません。
このように、歯周炎とは単に歯肉が腫れるだけではなく、骨まで溶かす疾患なのです。そして骨がなくなったスペースには、骨を溶かしたばい菌を退治しようと自血球が集まってくるので、歯肉は自然には下がりません。そのため,歯周炎の進行は外見ではわからないのです。
歯周炎(歯茎病)の原因は、歯石ではなく毒を出す生きたばい菌です。そして一番厄介な特徴は、自覚症状がほとんどないということです。知らないうちに歯と歯肉との接着を剥がし、最終的には骨も溶かしてしまいます。
しかも、一度剥がれた歯肉や溶けてしまった骨は、二度と元には戻りません。ですから早期発見・早期治療、もっというと予防が非常に大切なのですが、白覚症状がないため発見が遅れることが多いのです。
治療の目的は症状を取ることではなく、原因を除去することである。
疾患の原因を取り除けば、症状は自然に消えます。これが治療です。しかし症状が強い場合、症状のみを取る応急処置も必要です。
歯周病の症状には歯肉が腫れる、歯が揺れる、歯石が付くなどがあり、代表的な応急処置は、切開して膿を出す、歯を接着剤で固定する、歯石を除去するなどです。しかし、これで治ったと勘違いをしてしまうと、ますます悪化してしまいます。原因は歯の周りのばい菌ですから、それを除去してはじめて治療といえるのです。
それには毎日のご自分での手入れ(歯ブラシや糸ようじ)によるブラッシングが最重要になります。
それでも歯と歯の間や歯肉溝が深くなってしまった場合はそこに住み着いた細菌量をコントロールするために定期的な歯科医院での専門的な手入れが必要になります。
歯周病は、歯と歯肉の間の深い隙間にばい菌が溜まることによって進行します。この隙間をなくすには、隙間を作っている歯肉の壁をなくすしかありません。
そうすると、見た目には歯が伸びたようになるのですが、歯と歯肉の間にばい菌は溜まらなくなるので歯周病は治ります。つまり、発見された時の骨の高さが、治療後の歯肉の高さを決めるのです。
歯肉は白血球が集まるから腫れ、白血球はばい菌がいるから集まるのです。ですから、歯磨きで歯の根元に溜まったばい歯が減れば、その分白血球が引いていき、歯肉もしぼみます。
そして、隠れていたばい菌が出てきたら、さらにそこを磨きます。その繰り返しで歯肉の壁がなくなります。その後、正しい歯磨きを継続すれば、歯と歯肉との間に浅い消毒槽が作られ、健康な歯肉ができあがるのです。
歯と歯の間が歯肉で埋まっていれば健康というわけではありません。健康かどうかは骨の位置が決るのです。歯肉の下の骨がなくなっていれば、それだけ歯と歯肉の隙間も深くなり、そこには毒素を持つばい菌が大量に棲みつき、さらに骨を溶かしていくので健康とはいえません。
反対に歯肉のすぐ下まで骨があれば、歯の周りには白血球の消毒槽が作られるので健康といえるのです。見た目のきれいさではなく、あくまで歯肉の位置と骨の位置との差が問題である、ということをしっかり頭に入れてください。